犬のアトピー性皮膚炎
- 平和の森AnimalClinic
- 3月3日
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今回は、犬のアトピー性皮膚炎の症例のご紹介をさせていただきます。
柴犬さんが「1年間、ステロイドでアトピーの治療をしているが、皮膚の痒みが治らず悪化してきた」とのことで来院されました。




アトピー性皮膚炎とは、環境中のアレルゲン(花粉やカビ、ダニなど)に反応しておこる痒みを伴う慢性的な皮膚炎です。
遺伝的な体質から、アレルゲンに対して過剰に反応してしまうことや、皮膚バリアの低下などが原因となります。
症状は、眼、口唇、耳、脇、腹、足先、肛門周りなどに赤みや痒み、脱毛、苔癬化、色素沈着が起こります。
診断は、皮膚感染症の除外、食物アレルギーの除外などを行い、アトピー性皮膚と診断を行います。
治療は、以下の治療を組み合わせて行います。
・痒み止めの内服(ステロイド、アポキル、シクロスポリンなど)
・痒み止めの注射(サイトポイント)
・外用薬(外用ステロイド剤など)
・シャンプー療法(抗菌シャンプー、アトピー用シャンプー、保湿剤)
・サプリメントや整腸剤
今回の症例さんは、過去1年間に、ステロイド、アポキル、サイトポイント、シャンプーで治療を続けたが、痒みや赤み、脱毛が悪化している状態でした。
また、ステロイドの副作用も出てきてしまっていました。
しかし、適切な診断と治療を組み合わせることで、現在はステロイドの内服から別のお薬に切り替えることができました。
当院での治療後、痒みや赤みの改善が認められ、6週間後には脱毛の改善が認められました。




アトピー性皮膚炎は生涯、付き合っていく病気ですが、今後も適切なケアで悪化しないよに管理していければと思います。