犬の歯の根管治療
- 平和の森AnimalClinic
- 3月19日
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更新日:3月22日
今回は、臼歯(奥歯)の折れてしまったワンちゃんに、根管治療を行いました。
*今回はヒトの歯科医師のわんちゃんのため、アドバイスをいただきながら行いました。
通常、わんちゃんの歯が折れ、露髄(神経や血管が見えている状態)している場合には抜歯を行うことが多いです。
抜歯を行うことで、露髄している部分からの細菌感染を防ぎます。
根管治療とは、抜歯ではなく歯を温存する治療となります。
根管治療では、まず歯の表面を削り、歯の神経や血管が通る根管をきれいにして行きます。きれいになった根管に専用の薬剤を注入後、歯の表面をレジンなどで形成していきます。
犬の歯根は曲がっており、根管の歯髄をきれいにするのがヒトよりも難しい場合が多いです。
根管の清掃が不十分で血管や神経、菌が残ると、その後に感染が再発する可能性が高くなります。

まずは歯石を除去して、歯の断面を確認していきます。

赤い点に見える場所が歯髄(血管や神経)となります。

血管や神経を除去後の歯の様子です。歯髄の部分が空洞になっています。

根管に薬剤を充填し、表面をレジンによって形成した後の歯です。
歯の修復後は、感染の有無を調べるために、定期的な歯のレントゲン検査が必要となります。*レントゲン検査に麻酔が必要な場合もあります。
歯が折れてしまった場合には、早めの治療が必要なため、日々のケアでお口の中や歯にも注意してみてください。