犬の膿皮症
- 平和の森AnimalClinic
- 2024年2月11日
- 読了時間: 2分
更新日:2024年3月18日
今回は犬の膿皮症・皮膚炎のご相談がありました。
皮膚の一部が赤くなって、フケなどが目立ちます。
病変部をしっかり確認するため、一部の毛刈りを行いました。
毛を刈ると円形の赤みがありました。
皮膚炎が周囲に広がり、丸い病変を作っていると考えられ、膿皮症に典型的な表皮小環と呼ばれます。

膿皮症は一般的に、皮膚の常在菌である細菌の感染により起こります。
その原因として
・犬の皮膚は薄く感染しやすい
・犬の皮膚は弱アルカリ性で細菌が増えやすい
・免疫力の低下(若齢・高齢・病気)
・皮膚バリアの低下(アトピー性皮膚炎など)
・皮膚の衛生面の低下(汚れ・多湿など)
などが挙げられます。
治療は、増殖した細菌を減らすために
・消毒薬やシャンプーによる清拭
・抗生剤入の塗り薬
・抗生剤の内服または注射
を病変に合わせて組み合わせて行きます。
膿皮症は再発も多いため、免疫力や皮膚バリアの低下といった原因の治療も行うことで再発を防ぎます。
今回のワンちゃんは、ご自宅での消毒・塗り薬と併設トリミングでのシャンプーにより治療を行いました。
1週間後の皮膚は赤みが消えています。

今後は、皮膚にあったシャンプーでの定期的な洗浄・保湿、その他の皮膚疾患の管理を行って、再発を防いで行きます。
刺激の強い薬用シャンプーの使用により皮膚バリアが弱くなることや、自宅でのシャンプー後の乾かし残しによる細菌の増殖が原因となり、膿皮症などの皮膚炎になる場合がありますのでご注意ください。
シャンプー剤のご相談や、併設トリミングサロンのご利用もお待ちしております。
一緒に健康な皮膚を目指しましょう。