猫の拘束型心筋症(RCM)
- 平和の森AnimalClinic

- 7月25日
- 読了時間: 3分
◽️概要
今回は、呼吸が速くなり、後ろ足がふらつくことを主訴に来院された猫ちゃんの症例をご紹介します。
心エコー検査を実施したところ、猫では比較的まれな**拘束型心筋症(Restrictive Cardiomyopathy:RCM)**が疑われました。
◽️拘束型心筋症(RCM)について
猫の心筋症にはいくつかの種類があり、その中でも拘束型心筋症は比較的少ないタイプの心臓病です。
心臓の筋肉が硬くなることで心臓が十分に広がらず、血液を取り込みにくくなるため、心房に負担がかかり、心不全や肺水腫、胸水などを引き起こすことがあります。
初期には症状がほとんどみられないことも多く、呼吸が速くなる、元気がなくなるなどの症状が現れた時には病気が進行している場合もあります。
◽️拘束型心筋症でみられる症状
猫では以下のような症状がみられることがあります。
- 呼吸が速い
- 呼吸が苦しそう
- 元気・食欲の低下
- 胸水や肺水腫による呼吸困難
- 血栓症による後肢麻痺
◽️ 拘束型心筋症の治療
拘束型心筋症は、残念ながら心臓そのものを元の状態に戻す治療法はありません。そのため、治療の目的は心臓への負担を減らし、心不全の進行をできるだけ抑え、生活の質(QOL)を維持することになります。
病状に応じて、
- 肺水腫や胸水を改善するための利尿薬
- 心臓への負担を軽減する薬
- 血栓症のリスクを下げる抗血栓薬
- 必要に応じた酸素療法や入院管理
などを組み合わせて治療を行います。
拘束型心筋症は進行性の病気ですが、早期に診断し適切な治療を開始することで、症状をコントロールしながら生活できる期間を延ばせる可能性があります。そのため、心雑音や呼吸の異常を指摘された際には、心エコー検査を受けることが大切です。
◽️今回の症例
患者さんは、「呼吸がいつもより速い、ふらつく」とのことで来院されました。
身体検査を行った後、レントゲン検査と心エコー検査を実施しました。
心エコー検査では、
- 左心房の拡大
- 心室の拡張障害
- 拘束型心筋症を疑う特徴的な所見
が認められ、拘束型心筋症と診断しました。
◽️心エコー検査画像

左心房の拡大と拘束型心筋症に特徴的な所見が確認されました。
◽️まとめ
猫の拘束型心筋症は、一般的な肥大型心筋症に比べて発生は少ないものの、重篤な心不全を引き起こすことがある心臓病です。
心エコー検査は診断に欠かせない検査であり、適切な治療方針を決定するうえでも重要です。
「呼吸が速い」「以前より元気がない」といった変化がみられた場合は、早めに動物病院へご相談ください。
当院では、心エコー検査を用いた心臓病の診断・治療にも対応しております。
気になる症状がありましたら、お気軽にご相談ください。


