オカメインコの金属中毒
◽️概要
今回は、下痢を主訴に来院されたオカメインコさんの症例をご紹介します。
検査の結果、金属中毒が疑われる所見が認められたため、注射薬と内服薬による治療を行いました。
◽️金属中毒とは?
鳥類はくちばしを使ってさまざまなものをかじる習性があります。
そのため、ケージやおもちゃ、鈴、金属製の留め具などに含まれる金属をかじったり、誤って飲み込んだりすることで、金属中毒を起こすことがあります。
特に鉛や亜鉛などの金属は、体内に吸収されるとさまざまな臓器に影響を与える可能性があります。
◽️金属中毒でみられる症状
症状は摂取した金属の種類や量によって異なりますが、
- 食欲低下
- 元気消失
- 嘔吐・吐き戻し
- 下痢
- 水を飲む量や尿量の変化
- 便の色や性状の変化
- ふらつき
- 神経症状
- 体重減少
などがみられることがあります。
症状が進行してから発見されることもあるため、普段と違う様子がみられた場合には早めの受診が大切です。
◽️検査
金属中毒が疑われる場合には、身体検査に加えて血液検査やレントゲン検査などを行います。
特にレントゲン検査では、消化管内に金属が残っている場合、金属を疑う白く濃い陰影として確認できることがあります。
また、便の色や性状なども診断の参考になります。
◽️治療
金属中毒の治療では、体内に吸収された金属の影響を抑えることを目的とした注射薬や内服薬による治療と、現在の症状などに応じた対症療法を行います。
金属中毒では、なるべく早く原因となる金属を体内から排出・除去しつつ、金属が体内に吸収されることで起こる影響を抑えることが重要です。
◽️今回の症例
今回のオカメインコさんでは、水様性の下痢を主訴に来院されました。
便の性状は濃い緑色の下痢で金属中毒を疑う所見が認められました。

レントゲン検査では消化管内に金属を疑う陰影が確認されたため、金属の摂取が疑われました。

そこで、金属による体への影響を抑えるため、注射による治療を開始するとともに、内服薬による治療も行いました。
治療中は、食欲や元気、体重、便の状態などを確認しながら慎重に経過を観察しました。
治療2週間ほどで、下痢の改善が認められ、元気や食欲も上がってきました。

その後は、レントゲン検査で金属陰影が完全に消えるまで経過観察と内服薬による治療を継続していきます。
◽️まとめ
鳥類はくちばしで物をかじる習性があるため、飼育環境にある金属製品などをかじることで、金属中毒を起こすことがあります。
金属中毒では、食欲低下や元気消失、消化器症状、神経症状などさまざまな症状がみられます。
また、レントゲン検査によって消化管内に金属を疑う異物が確認できる場合もあります。
鳥さんの生活環境にあるケージ、止まり木、おもちゃ、鈴、金属製の留め具などについても、かじった跡や金属の剥がれがないか定期的に確認することが大切です。
「急に元気がなくなった」「食欲がない」「便がおかしい」「何か金属をかじっていたかもしれない」などの変化がある場合には、早めに動物病院へご相談ください。
当院では、オカメインコをはじめとした鳥類の診療やレントゲン検査、金属中毒が疑われる場合の治療にも対応しております。


