犬のアトピー性皮膚炎・食物アレルギー
- 平和の森AnimalClinic

- 5月11日
- 読了時間: 3分
今回は、長期間続く皮膚のかゆみと外耳炎を主訴に来院された12歳の柴犬さんの症例をご紹介します。
環境アレルゲンによるアトピー性皮膚炎と、食物反応性皮膚炎(食物アレルギー)の両方が疑われ、食事管理と内科治療を組み合わせて良好にコントロールできた症例です。
■ 来院時の様子
患者さんは慢性的なかゆみを主訴に来院されました。
特に以下の部位を中心に赤みや脱毛、苔癬化の症状がみられました。
・耳
・四肢、肘
・脇
皮膚の赤みや脱毛、繰り返す外耳炎がみられ、季節による悪化も認められました。
過去にも複数の治療歴がありましたが、症状の再発を繰り返している状態でした。

初診時:赤み、脱毛、苔癬化が認められる
■ アトピー性皮膚炎と食物アレルギーについて
犬の慢性的なかゆみでは、アトピー性皮膚炎と食物アレルギーが代表的な原因となります。
アトピー性皮膚炎は、ハウスダストやダニ、花粉など環境中のアレルゲンに対する過敏反応です。
一方、食物アレルギー(食物反応性皮膚炎)は、特定の食材に対する免疫反応によって皮膚症状や消化器症状を引き起こします。
これらは症状だけで区別することが難しく、併発しているケースも少なくありません。
■ 検査と診断の流れ
寄生虫感染や細菌・真菌感染など、他のかゆみの原因を除外します。
その後、皮膚の分布や経過、発症年齢などからアトピー性皮膚炎を疑っていきます。
加えて、食物反応の関与を確認するため除去食試験や血液でのアレルギー検査を実施する場合もあります。
■ 治療内容
本症例では、以下を組み合わせて治療を行いました。
・アレルギー用療法食への変更
・かゆみを抑える内服薬や注射薬の併用
・外耳炎の治療
・当院での定期的なシャンプー、保湿療法
症状の程度に応じて治療内容を調整しながら管理を継続しました。
■ 経過
治療開始後は徐々にかゆみが軽減し、皮膚の赤みや外耳炎の再発頻度も減少しました。
現在も継続的な管理は必要ですが、生活の質(QOL)は大きく改善し、安定した状態を維持できています。
皮膚の赤みや脱毛も改善してきてくれています。

■ 飼い主様へのメッセージ
犬のアレルギー性皮膚疾患は、完治よりも「長期的に上手く付き合っていく病気」となることが多くあります。
そのため、それぞれの患者さんに合った治療やスキンケアを見つけていくことが大切です。
「繰り返すかゆみ」「耳のトラブル」「足を舐める」などの症状が続く場合は、早めのご相談をおすすめします。
当院では皮膚科診療にも力を入れております。慢性的な皮膚トラブルでお困りの際は、お気軽にご相談ください。





