ウサギの子宮内膜静脈瘤による血尿
◽️概要
今回は、血尿を主訴に来院された推定3〜4歳のウサギさんの症例をご紹介します。
当初は膀胱炎も疑い内科治療を行いましたが、血尿の改善が乏しかったため、子宮からの出血を考えて卵巣子宮摘出術を実施しました。病理検査の結果、摘出した子宮から出血を伴う子宮内膜静脈瘤が確認されました。
◽️ウサギの血尿について
ウサギでは、尿が赤く見える「血尿」の原因として、膀胱炎や尿石症などの尿路疾患がよく知られています。
しかし、メスのウサギでは、子宮から出血した血液が尿に混じることで、血尿のように見えている場合があります。
特に中高齢の未避妊のメスでは、子宮にさまざまな病気が発生する可能性があるため、膀胱などの尿路だけでなく、子宮も含めて原因を調べることが重要です。
◽️今回の症例
血尿がみられるとのことで来院されました。
まずは膀胱炎などの尿路疾患を疑い、画像検査を行ったうえで治療を開始しました。
しかし、治療を続けても血尿の改善が乏しく、膀胱炎だけでは症状を十分に説明できない可能性が考えられました。
そこで、子宮からの出血の可能性も考慮し、飼い主様とご相談のうえ、原因となっている可能性のある子宮を摘出することとなりました。

◽️卵巣子宮摘出術
全身麻酔下で卵巣子宮摘出術を実施しました。
摘出した子宮を確認すると、子宮内部には出血と血液の貯留が認められました。



病理検査の結果、子宮内膜静脈瘤と診断され、子宮内膜の血管が異常に拡張した病変が認められました。
そのため、今回の血尿は、膀胱炎だけではなく、子宮内膜静脈瘤による子宮内出血が関与していた可能性が高いと考えられました。
◽️術後経過
手術後は麻酔から順調に覚醒し、食欲や全身状態を確認しながら経過観察を行いました。
子宮を摘出することで、出血の原因と考えられる病変を取り除くことができ、血尿に改善が認められました。
その後は、食欲などを確認しながら経過を観察していきます。
◽️まとめ
ウサギの血尿では、膀胱炎や尿石症などの尿路疾患だけでなく、子宮からの出血が原因となっている場合があります。
今回の症例では、まず膀胱炎として治療を行いましたが改善が乏しく、子宮からの出血の可能性を考えて外科的に卵巣子宮摘出術を行いました。
その結果、子宮内に出血が認められ、病理検査によって子宮内膜静脈瘤と診断されました。
血尿がなかなか改善しない場合には、最初に疑った病気だけにとらわれず、尿路以外の原因についても検討することが重要です。
ウサギで血尿や尿の色の変化がみられた場合は、早めに動物病院へご相談ください。



