中高齢ウサギの子宮腺癌の摘出
◽️概要
今回は、健康診断で来院された7歳11か月齢のウサギさんの症例をご紹介します。
診察時の腹部触診で腹腔内に異常を認め、画像検査を実施したところ子宮の腫大が確認されました。飼い主様とご相談のうえ外科的摘出(卵巣子宮摘出術)を行い、病理検査の結果、「子宮内膜腺癌(子宮腺癌)」と診断されました。
◽️ウサギの子宮内膜腺癌について
子宮内膜腺癌(子宮腺癌)は、ウサギの未避妊メスで比較的多くみられる腫瘍です。
特に中高齢になるにつれて発生リスクが高まることが知られており、初期には目立った症状がほとんどないことも少なくありません。
進行すると、
- 陰部からの出血
- 血尿のように見える症状
- 食欲低下
- 元気消失
- 貧血
- 肺への転移
などがみられることがあります。
根本的な治療は、子宮と卵巣を摘出する子宮卵巣摘出術(避妊手術)**です。
◽️今回の症例について
今回の症例では、陰部出血や食欲低下などの明らかな症状は認められておらず、健康診断時の腹部触診が発見のきっかけとなりました。
さらに画像検査を行ったところ、子宮の腫大が認められ、子宮疾患が疑われました。
高齢ではありましたが、全身状態や検査結果を総合的に評価し、外科的摘出(卵巣子宮摘出術)を行う方針となりました。
7歳11か月齢と中高齢のウサギでしたが、術前に全身状態を十分評価したうえで手術を実施し、麻酔経過も良好でした。
手術では、腫大した子宮を慎重に摘出し、腹腔内の状態も確認しました。

摘出した組織を病理検査へ提出したところ、「子宮内膜腺癌(子宮腺癌)」と診断されました。


中高齢でしたが、麻酔後や術後の回復は良好で、食欲や活動性も順調に改善しました。
◽️まとめ
ウサギの子宮内膜腺癌は、中高齢の未避妊メスで比較的多くみられる病気です。
今回のように、症状がなくても健康診断で偶然発見されることがあります。
定期的な健康診断や腹部のチェックは、病気の早期発見につながる大切な機会です。
また、子宮腺癌は避妊手術によって予防できる病気でもあります。繁殖予定のないメスのウサギでは、若いうちの避妊手術も選択肢の一つです。
当院では、ウサギをはじめとしたエキゾチックアニマルの健康診断や外科手術にも対応しております。気になる症状がありましたら、お気軽にご相談ください。



