犬の耳血腫
- 平和の森AnimalClinic
- 5月8日
- 読了時間: 2分
今回は犬の耳血腫のご紹介です。
2歳のフレンチ・ブルドックさんが「耳が腫れている、他院で治療していたが3~4ヶ月繰り返している」とのことで来院されました。

確認してみると、耳介(耳の部分)に液体が溜まっていました。
耳血腫とは、耳介の皮膚と軟骨の間に血液や漿液などの液体がたまり、腫れてしまう病気です。
原因は、耳を強く掻くことや、ぶつける、頭を振ることで、耳介内部の血管が壊れ、内出血を起こすことが原因となります。
また、これらの原因は、外耳炎やアトピー性皮膚炎、アレルギー、耳ダニなどによる痒みが背景にあることがほとんどです。
治療は、
・耳血腫内部の液体を針で吸引
・ステロイド剤(消炎剤)の注入
・インターフェロン製剤(免疫調整)の注入(特に耳介の変形予防)
を組み合わせて行います。
また、原因のコントロールを行うことが再発予防に重要になってきます。
今回のフレンチ・ブルドックさんは以前からアトピー性皮膚炎の治療も行っていたそうなので、再発を繰り返す原因は、アトピー性皮膚炎と外耳炎のコントロール不良が考えられました。
そのため、アトピー性皮膚炎・外耳炎の治療の管理と、定期的な耳血腫内部へのインターフェロン製剤の注入を行いました。
3週間ほどで、耳血腫内部の血液は自然に吸収され、耳介の変形も認められませんでした。

今後は、内服薬と点耳薬を併用したアトピー性皮膚炎の管理を続けることで、耳血腫の再発を予防していきます。
アトピー性皮膚炎や外耳炎による再発を繰り返している場合には、是非、ご相談ください。