高齢猫の歯科処置
- 平和の森AnimalClinic
- 2023年11月23日
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今回は、15歳の猫さんが『顔が腫れてきた』とのことで来院されました。
顔が腫れるなどの症状の場合、口や歯への細菌感染(歯周病や根尖膿瘍)、腫瘍(がん)などが原因として考えられます。
今回の猫さんは口腔内の検査から、歯の汚れとそこからの感染(根尖膿瘍)と考えられました。
治療の方針として、
① 全身麻酔下での歯石除去、状況による抜歯処置(原因治療)
② 年齢や麻酔リスクを考えて、抗生剤での対症療法のみ
を提案させていただきました。
どちらもメリット・デメリットはありますが、血液検査やレントゲン検査、心臓のエコー検査に問題がなく、再発の可能性を考え、麻酔下での処置を選択されました。
そのため抗生剤を使用して腫れを引かせてから麻酔下での歯科処置を行いました。
麻酔下で詳しく歯を見ていくと、歯石がつき、歯茎が下がってきています。

左上の臼歯(奥歯)は、抜歯処置をおこない、歯肉の縫合をしました。


全身麻酔も問題なく、しっかり起きてくれました。よく頑張ってくれましたね。

処置後は、すぐに食欲もあり元気にすごしてくれていますが、術後1週間の血液検査で腎臓の数値が軽度に上がっていたため、今後は腎臓のケアと定期チェックを行っていきます。
2018年には『猫で歯周病は慢性腎臓病(CKD)のリスク増加に関連し、歯周病が悪化するほどリスクが増加する』との報告もあります。
今回の猫さんは、歯科処置を行いましたので、今後の腎臓病の悪化リスクを下げられたと思います。
歯周病は他の病気のリスクになるため、定期的な病院での口腔内チェックと、口腔内の処置(歯石除去・スケーリング)をおすすめいたします。
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