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猫の膿胸

今回は猫さんの膿胸(胸の中に膿が溜まっている状態)の症例についてご紹介させていただきます。

2歳の猫さんが「呼吸が苦しそうで、元気がない、食欲がない」とのことで来院されました。


呼吸状態が悪いため、胸のレントゲン検査、超音波エコー検査を行いました。

その結果、胸の中に液体が溜まっており、肺が十分に拡張できていない状況でした。

超音波エコー検査を使いながら、慎重に胸に針をさして胸腔内の液体を抜いていきます。

液体は、クリーム色の腐敗臭のある液体であり、顕微鏡でさらに詳しく調べていきます。

顕微鏡では、細菌とそれと戦う好中球と呼ばれる細胞が多数認められました。



このことから、胸に膿が溜まってしまう『膿胸』と診断しました。


膿胸の原因は

外傷

肺炎からの波及

異物

寄生虫症

などが報告されています。


治療は

抗生剤の使用

胸腔穿刺による膿の抜去

胸腔ドレーンの設置、胸腔内の洗浄

となります。


胸腔ドレーンは胸の横からチューブを入れるため、麻酔が必要になるケースがあります。

しかし、針を刺して膿を抜くだけより、しっかりと膿を抜くことができ、また胸腔内の洗浄をできるため、治療効果が高くなります

適切な治療が行えれば予後は良好ですが、生存率約60%と言われる場合もあります。


飼い主様と麻酔のリスクや治療方針についてご相談させていただき、今回は、入院治療胸腔ドレーンの設置、細菌に対する抗生剤の感受性試験を行うことになりました。


ドレーンの設置によりチューブが胸の中に入っていっています。

このチューブを介して、膿の抜去と洗浄を定期的に行います。


胸腔ドレーン設置後、3日目に胸腔内がかなり綺麗になってきたため、ドレーンの除去を行いました。また、呼吸もかなり落ち着いてくれました。

その後は抗生剤にて治療を継続して、入院5日目に退院、自宅での抗生剤治療となりました。

その後、2週間しても再発なく、元気食欲いっぱいに過ごしてくれています。



元気がない、食欲がない、呼吸が荒いなどの症状の原因に命に関わる病気が隠れている場合もあります。

いつもと様子が違う場合には、お早めにご相談いただければと思います。

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