うさぎの鼻涙管閉塞
- 平和の森AnimalClinic
- 2024年2月11日
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今回は4才のウサギさんが「涙目、涙で毛が濡れている」とのご相談で来院されました。

涙目は眼自体に問題が起きている場合や涙の排泄の経路(鼻涙管)に問題が起きている可能性が高いです。
鼻涙管は下瞼の穴から、上の歯の近くを通り、鼻の中へと繋がっており、余分な涙を排泄しています。
そのため、鼻涙管に問題が起こると通りが悪くなり、余分な涙が眼から溢れ、眼周囲の毛が湿ってきます。
さらに湿った毛は皮膚炎の原因となります。
ウサギさんは特にこの鼻涙管の問題が多いです。
この鼻涙管に問題が生じる原因として、
・眼への細菌感染
・炎症の波及(結膜炎・鼻炎など)
・歯根の炎症・圧迫(特に多い)
などが考えられます。
これらの原因により、炎症による狭窄や、鼻水・膿などの詰まりが起こると、鼻涙管閉塞と呼ばれる状態になります。
涙目の場合、眼や口腔内の検査、頭部のレントゲン検査を行い、その原因を探していきます。
治療は
・抗生剤の目薬や飲み薬
・消炎剤の目薬や飲み薬
・鼻涙管洗浄による汚れの除去(閉塞の解除)
を組み合わせて行っていきます。
今回のウサギさんも眼から鼻涙管を洗っていくと、白濁した汚れた液が鼻から出てきました。

1回目の洗浄で鼻から出てきた液体と、洗浄後の鼻から出てきた液体を見比べると、濁っていた汚れがなくなりキレイになったのが分かります。

原因が、歯からの問題の場合、再発を繰り返す事が多く、定期的な鼻涙管洗浄や、継続治療が必要となってきます。
涙からの皮膚炎になる前にご相談いただければと思います。