猫の歯根膿瘍(根尖膿瘍)
- 平和の森AnimalClinic
- 2024年8月29日
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今回は猫さんの歯根膿瘍についてご紹介させていただきます。
13歳の猫さんが「目の周りが腫れてきた」とのことで来院されました。

頬と目の周りがかなり腫れて目が開かなくなっていました。
また、口の内は重度の歯石と歯周病でした。

頬の腫れた部分は、波動感があり中に液体が溜まっていると思われました。
そのため、切開してみると中からは大量の膿がでてきました。
口腔内の歯石・歯周病にとより、歯の根元(歯根)から頬や目の周りまで細菌感染が広がり、膿が大量に溜まってしまったと考えられました。
治療は原因となっている歯の抜歯と膿の溜まっている部分の洗浄を提案させていただきました。
猫さんは高齢でしたが、血液検査に異常はなく、麻酔下での抜歯・消毒処置に同意していただきました。
原因となっていた歯は、溶け始めており原型をとどめていませんでした。(写真左)
また、反対側の歯も歯石・歯周病が重度で今後、同様になるリスクが高いため分割して抜歯をおこないました。(写真右)

処置後は、抗生剤の内服をしてもらいました。
4日ほどで、顔の腫れも引きはじめ、目がしっかり開けられるようになりました。

歯石や歯周病が悪化する前に、定期的な歯の検診・処置のご相談をいただければと思います。