猫の心房中隔欠損症(ASD)
- 平和の森AnimalClinic

- 8 分前
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◽️概要
今回は、聴診をきっかけに詳しい検査を行い、心房中隔欠損症(Atrial Septal Defect:ASD)と診断した猫ちゃんの症例をご紹介します。
◽️心房中隔欠損症(ASD)について
心房中隔欠損症とは、左右の心房を隔てる壁(心房中隔)に生まれつき穴が開いている先天性心疾患です。
通常は左心房の圧力が右心房より高いため、穴を通じて左心房から右心房へ血液が流れ込みます。その結果、右心房や右心室に負担がかかり、進行すると右心不全や肺高血圧症を引き起こすことがあります。
一方で、欠損孔が小さい場合には無症状のまま経過することもあり、健康診断や心雑音をきっかけに偶然発見されるケースもあります。
◽️検査
心房中隔欠損症の診断には、心エコー検査が最も重要です。
今回の症例では、Bモード検査で心房中隔の欠損を確認し、カラードプラ検査では欠損部を通過する血流(シャント血流)を確認しました。
また、右心系への負担の程度や肺高血圧症の有無、他の先天性心疾患が併発していないかについてもあわせて評価しました。
◽️治療
治療は、欠損孔の大きさや心臓への負担、症状の有無によって異なります。
無症状で心臓への負担が少ない場合には、すぐに治療を行わず、定期的な心エコー検査で経過を観察することがあります。
一方で、心拡大や心不全の徴候がみられる場合には、心臓への負担を軽減するための内科治療を行います。
猫では、多くの症例で内科管理が中心となりますが、専門施設での外科手術を行うこともあります。
◽️今回の症例
患者さんは、診察時に心音の異常が聴取されたため、詳しい検査を希望されました。
胸部レントゲン検査と心エコー検査を実施したところ、心房中隔に欠損を認め、カラードプラ検査では左心房から右心房へのシャント血流が確認されました。
また、右心房への容量負荷を示唆する所見も認められ、心房中隔欠損症(ASD)と診断しました。
現時点では全身状態は安定していたため、今後は定期的な心エコー検査と内服薬にて経過を観察していく方針としました。
◽️症例写真

◽️まとめ
心房中隔欠損症は猫では比較的まれな先天性心疾患ですが、心エコー検査によって診断することができます。
欠損孔の大きさや心臓への負担は個体によって異なるため、それぞれの症例に応じた評価と定期的な経過観察が重要です。
心雑音を指摘された場合や、呼吸が速い、疲れやすいなどの症状がみられる場合は、一度心エコー検査を受けることをおすすめします。
当院では、心エコー検査による心臓病の診断から内科管理まで対応しております。猫ちゃんの心臓について気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。

