猫の皮膚糸状菌症
◽️概要
猫の皮膚糸状菌症は、真菌(カビ)の感染によって脱毛や皮膚炎などが起こる病気です。
今回の症例では、顕微鏡検査で菌糸や胞子を確認し、さらにダーマキットによる培養検査でも陽性となったため、皮膚糸状菌症と判断し、抗真菌薬による治療を開始しました。
◽️皮膚糸状菌症について
皮膚糸状菌症は、皮膚や被毛に真菌が感染することで発症する皮膚病です。猫では、円形の脱毛やフケ、かさぶた、皮膚の赤みなどが見られることがあります。
症状の程度には個体差があり、目立った皮膚症状が見られない場合もあります。
また、皮膚糸状菌症は猫から人やほかの動物に感染する可能性があるため、治療とあわせて、ご家庭での衛生管理にも注意が必要です。
◽️検査
皮膚糸状菌症が疑われる場合には、皮膚や被毛を採取して顕微鏡で観察したり、真菌培養検査などを行ったりして診断します。
今回の症例では、次の検査を実施しました。
① 顕微鏡検査
採取した皮膚・被毛を顕微鏡で観察したところ、真菌の感染を確認しました。


② ダーマキットによる検査
ダーマキットは、皮膚糸状菌の検出に用いる培養検査キットです。採取した検体を専用の培地で培養し、培地の変化などを確認します。

◽️治療
皮膚糸状菌症の治療には、抗真菌薬を使用します。病変の範囲や症状、猫の状態などに応じて、内服薬や外用薬などを選択します。
必要に応じて、毛刈りをする場合もあります。
治療中は皮膚の状態を確認しながら、再度の検査を行い、治療の継続や終了を判断していきます。
◽️ご家庭での注意点
皮膚糸状菌は、感染した毛やフケなどを介して周囲に広がることがあります。治療中は、次の点に注意してください。
- 猫に触れた後は手を洗う
- 猫がよく過ごす場所をこまめに掃除する
- 抜け毛やフケを取り除き、寝具なども清潔に保つ
- 同居動物に脱毛や皮膚の異常が見られた場合は、動物病院に相談する
- ご家族に皮膚の異常が現れた場合は、医療機関に相談する
猫の治療だけでなく、生活環境を清潔に保つことも感染の拡大を防ぐうえで大切です。
◽️まとめ
猫の皮膚糸状菌症は、脱毛やフケなどの皮膚症状を引き起こす病気で、人やほかの動物に感染する可能性もあります。
見た目だけではほかの皮膚病と区別が難しいこともありますが、顕査や培養検査などを組み合わせることで診断につながります。
脱毛やフケ、皮膚の赤みなど、気になる症状が見られた場合は、早めに動物病院へご相談ください。



